公益社団法人射水市医師会

成長期に多い障害の種類とそれを予防する方法は?

痛みは体が発する危険信号!!痛みを無視しない!!

 スポーツ障害は使い過ぎ症候群(オーバーユース)と言われるように使い過ぎが原因です。成長期の子供は同じ年齢・学年であっても、成長の段階がそれぞれ異なっています。つまり個人差が激しいということです。しかし、各々の子供の成長段階を知る手段はX線検査を行うしかなく、事前に成長段階を知ることは不可能なことです。同じ年齢だからといって同じ練習量を消化させることは非常に危険なことだと言えます。ですから成長期の子供に体力面・筋力面から考えて、どれくらいの負担がかけられるかは個々の成長に合わせていくのが理想です。しかしながらクラブ活動などでは全体的な練習が多く、一人づつ運動メニューを作って練習するのは無理でしょう。そこで大切なのは、子供が感じる・訴える危険信号を、指導者・親がいかに早く察知できるかということだと思います。
 しかしながら子供は多少の痛みがあっても、先生・指導者・親には話せないことが多いのではないでしょうか。せっかくレギュラーになった、もしくはレギュラー目前にしてるのに、痛みを訴えたためにその座を失う・そのチャンスがなくなるかもしれないという恐怖感を持ってしまい、さらに無理をし最終的にはスポーツそのものを諦めねばという事態に陥る危険性を持っています。このように成長期はスポーツ活動が精神身体発育にプラスに働く反面、いったんスポーツ障害を発症すると慢性化しやすいマイナス面を持ってることを、先生、指導者・親には知って欲しいと思います。
 痛みを早いうちにキャッチできるような環境を作ることが、一番大切な予防法といえるでしょう。

成長期に多いスポーツ障害を示します。

① 肩―野球肩
② 肘―野球肘 テニス肘
③ 腰―腰痛症 腰椎分離症 腰部椎間板ヘルニア
④ 膝―オスグッド・シュラッター氏病 分裂膝蓋骨
⑤ 下腿・足関節・足部―過労性骨膜障害 疲労骨折
 これらの障害を予防するには、それぞれのスポーツに応じた練習内容・練習場所・環境条件・用具などを適切に選ぶこと、各々の障害・疾患を理解することが重要です。即ち、いち早く危険信号に気づいてやることが、最も適切なスポーツ障害の予防法だと思います。
痛みは体が発する危険信号!!
痛みを無視しない!!

(文責 担当理事)

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