成長期によく聞く「成長痛」って本当にあるの?
「成長痛」とは
成長期に急激に身長が伸びる際に、骨に付着している筋肉・腱・靭帯の成長(伸びる)と骨の成長に差が生じるので、その差が痛みとして感じるといわれています。長年整形外科医として診療しておりますが、私自身はいまだ真の意味での「成長痛」という状態に会ったことはありません。必ずと言っていいほど痛みの原因が見つかる場合がほとんどであるからです。
また、2~6歳時期の幼児に突発的に起こる下肢痛を「成長痛」ということもあります。この時期の痛みの特徴は
①夕方から夜間に突然下肢痛を訴えて泣く
②翌朝痛みが消失
③痛みを訴える場所に腫れ・圧痛(押さえると痛みが誘発される)が無い
④X線所見・血液検査に異常が無い
⑤一過性の痛みである
などがあげられます。
2~6歳時期の突然の下肢痛の原因と考えられるのは、脚軸の形成時期において下肢軸がいまだ不安定なために、昼間の歩行・走行後の疲れに心理的要因が加わり、子供が痛みとして表現すると言われています。
夜急に子供が足をいたがっているときのおかあさんへのアドバイスですが、いたずらに騒がず・心配せずに様子を見、翌朝になっても痛みがひかず、立たない・歩こうとしないなどの症状があれば、整形外科を受診し相談していただいたらとおもいます。
(文責 担当理事)